廃棄される商品を救え!商品の良さではなく、企業の思いを伝えるプロモーションの確立を

コロナは花の需要期である春に直撃をした。
各種イベントが中止になったため、フラワーロスに直面した生産者は花を廃棄し、花をメインにした観光地では観光客が密になり感染が拡大することを恐れ、刈り取りを実施。
今後のために、下記の成功例を参考にした施策の確立が急務である。

日本ではコロナウィルスの影響で学校の休校・物産展の中止・飲食店の時短営業などによる原材料や飲料の供給過多問題が多く取り上げられた。いわゆるフードロス問題だ。ここに対しては、官民あげての様々な取り組みがなされていたように見える。

例えば、突然の休校による行き場がなくなった学校給食の食材は貧困家庭の配布になり、給食の定番である牛乳は農林水産省・北海道知事をあげて「プラスワンプロジェクト」として現在飲んでいるのにもう1杯を足して消費を促進しよう、とTVでも盛んに推奨していた。また中止した物産展の食品に対してはメーカーや百貨店のオンラインショップで特価販売を実施。生産者レベルでも、牛乳をヨーグルトに、ビールをアルコール消毒液にと様々な取り組みがされていた。この根底には、「食べられるものを捨てるのは罰が当たる」との日本人らしい道徳観、「お得に自分ご褒美に」の自粛疲れによる効果があったと考えられる。

一方フードロス問題より取り扱いが少なかったが、筆者が関心を持ったのが「フラワー問題」である。生産地での廃棄によるフラワーロスはもとより、観光客の来場で密になることを恐れての観光地での花の刈り取りには心が痛んだ。

その中でも、少しでも何かをとの思いから施策を実施するところもあった。
例えば、花の産地・愛知県田原市の道の駅「田原道の駅(めっくんはうす、あかばねロコステーション)」はオンラインショップで破格の値段にて花の販売を開始(緊急事態期間のみ)。急遽取り扱いを開始したためか、支払い方法がPaypal・代金引換・銀行振込しかないなど不便は感じるが、それでも美しい花とかなり手頃な値段(例:ガーベラ30本 2,000円、バラのブーケ13本 1,480円)には、花好きにはたまらない。

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また観光地では、刈り取った花で花文字を作りPR活動に役立てている場所もあった。本来の趣旨とは異なる利用方法であり、実施した施設は断腸の思いであったと推測するが、TVやネットニュースで取り上げられることにより施設の情報は拡散し、「コロナが落ち着いたら行きたい」との思いを駆り立てられた。

チカ’s ポイント

次に緊急自粛制限が出た時に、どのような対策が打てるかは今から考えておく必要がある。
企業自らがファンを作るような発信を強化し、普段からコミュニケ―ションを消費者や地域メディアと取っておく。それらが、いざとなった時のセーフティーネットになってくれるだろう。
マーケティングは4Pと言われるが、コロナの前は商品(Product)の良さや説明に力点を置いたプロモーション(Promotion)を行っていた企業でも、これからは思いを伝え、ファンを作るようなプロモーションの実施が急務だ。
すなわちコロナを体験した今後の世界は、プロモーションの質が今までとはまったく異なってくるのである。

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